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特定技能在留外国人と技能実習ルート

1.本年6月末時点における特定技能在留外国人

出入国在留管理庁が、本年6月末における特定技能在留外国人の数を発表しました。これによると、特定技能在留外国人は5,950人となっています。本年3月末の人数が3,987人でしたから、3カ月で約1.5倍に伸びています。なお、現在のところ、特定技能2号外国人の在留は無いため、公表値は全て特定技能1号在留外国人です。

国別にみると、ベトナムの3,500人が最多で、全体の約6割となっています。これに、中国597人、インドネシア558人、フィリピン369人、ミャンマー291人が続いています。

特定産業分野別にみると、飲食料品製造業分野の2,094人が最多で、農業分野930人、外食産業分野607人、産業機械製造業分野561人、素形材産業分野537人が続いています。

2.技能実習ルートの特定技能在留外国人

特定技能の在留資格を得たルートをみると、技能実習ルートの5,044人が最多で、全体の8割を超えています。ちなみに、試験ルートは855人にとどまっています。

特定技能1号の在留資格を得るためには、技能試験と日本語試験に合格する必要があります。しかし、技能実習3年を修了した技能実習生は、これら2つの試験が免除されます。この扱いは、帰国済みの技能実習修了者についても同じです。

これまで、3年又は5年の技能実習を修了した技能実習生は必ず帰国しなければなりませんでした。しかし、現在は、特定技能1号の在留資格を得ると、さらに最長で5年間、日本で就労することができます。

技能実習ルートについての詳細な発表はありませんが、実態としては、特定技能の資格を得て引き続き実習実施機関で就労するケースが多いと聞いています。

3年又は5年の実習により技術を習得した技能実習生が特定技能の資格を得て就労を継続すれば、実習実施機関にとっては、貴重な人材を得ることになります。しかし、就労継続のために特定技能の資格を得るかどうかを決めるのは、技能実習生本人です。実習実施機関にとっては、技能実習生が引き続き働きたいとの意欲を持つことができるような雇用管理、環境整備が重要です。

上村俊一(幣団体 非常勤理事)

1981年、旧労働省に入省。海外労働情報室長、中央労働災害防止協会国際センター所長、ILO駐日事務所次長等の国際関係業務に従事。ILO総会に5回出席。2018年、社会保険労務士事務所S&U労働コンサルティング代表。

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