今月は監察月のため、西日本各地の実習生たちに会いに行っています。
日本語が上手になってくると冗談も上手になってくるので、陽気な実習生などは「先生なんか3か月前よりきれいになったね」なんて声をかけてくれるかわいらしい実習生もいます。
実習生と話をするのも楽しみですが、監査では実習実施者のなかでも特に技能実習指導員の方とお話しをすることができるのも楽しみの一つです。技能実習指導員を担当されている方のなかには、技能実習が初めて知る外国人、というかたもいらして、文化の違いに戸惑う方がたくさんいらっしゃいます。
技術の指導そのものはとくに問題ではないけれど…と言う前置きでよくあるご相談をいくつか紹介します。
【時間を守らない、平気で寝坊や遅刻をする】
これは日本人が外国人と直面する上で悩みとなる永遠のテーマかもしれません。
5分前集合を徹底的に教え込まれる日本人と違い、時間にルーズなのは国籍問わずよくある話です。
アイフォースでは入国後講習中にかなり厳しく時間厳守の重要性を伝えています。送り出し機関による入国前講習でも時間厳守の原則はどこでも徹底してご指導いただいてます。そのため、企業の皆様のもとに配属されるまでには時間厳守の約束はしっかり守られていますが、しばらくすると母国での習慣に戻ってしまう傾向もあります。
日本では時間を大切にすること、職場ではしっかりと時間を守ることを定期的に伝える必要があります。
【挨拶をしない】
こちらも、入国後講習中に徹底して指導する内容ですが、時間問題と同じく繰返しの指導が必要になります。
【返事をしない】
返事がない場合、二つの場合が考えられます。
①日本語が全然わかっておらず相手の言ってることが分からなかった場合
→「わかりません、もう一度お願いします」と、遠慮せず伝えるよう実習生には指導します。
②言っていることはわかったので質問もない場合
→特に質問もないので無言で理解したパターンです。先日の実習生の作文にもあったように、国によってはありがとう、ごめんなさい、を言わない文化の国ですので、相手の言うことが理解できればそれに対してとくにコメントしない、ということなのだと思われます。日本では相手の話を聞いたあとは返事をしましょう、と気づいたときに伝え続けることは必要です。
【報告連絡相談がない】
いわゆる‘ほうれんそう‘、ですが、こちらは実習に慣れてきた2年目以降の実習生によく起こる現象ではあります。指導員からの指示が減って、自ら進んで積極的に作業できるようになったけれど、事前に報告なく勝手に進めてしまったり、作業が終わっても報告がない、等、悩まれる方が多くいらっしゃいます。
これは実習生に関わらず、社会人として日本人である私たちももしかしたら完全には実践出来ていないかもしれません。
一から十まで指導するのではなく自分で考えて行動できるようになるのは素晴らしいことです。またそれができるのとできないのとでは能力向上に大きな差がでるかもしれません。そのため、実習生には自主的な行動を誉めつつも、報告連絡相談の大切さを伝えていく必要があります。
このように、日本人にとっては当たり前のことでも、実習生の母国の常識ではそうではない場合というのはかなり多くあります。
実習生の本業は日本での技能を学ぶことですが、技能とともに日本の社会人マナーを学ぶことで母国に帰ってもより良い雇用につながるような将来へ導くことがアイフォースの目標です。
実習生の言葉を借りるのであれば、「日本に来て、きちんとした人間になった」と、3年後に言えるような指導をアイフォースもサポートしていきます。