0%
03-6435-3021
お問い合わせ
03-6435-3021
お問い合わせ

作文コンクールから知る実習生の思い

7月になりました。7月は再び3か月に一回の監査月となります。今月も新型コロナウィルス感染症予防対策を徹底しながら各地の実習生に会いに行きます。

アイフォースでは2019年より毎年春に監理下にある実習生向けに作文コンクールを行っています。

参加は任意で希望者のみに参加をお願いしていますが、毎年少しずつ参加者も増え、今年は過去最高の133作品が集まりました。今年の作品は現在全社員の投票にて最終選考を行なっています。

毎年テーマを変えて行うのですが、一年目のテーマは「わたしの家族」というテーマで、涙なしには読むことができない作品がたくさん出展されました。日本で実習生と過ごしているだけだと、なかなか実習生の母国での生活を想像することはできません。実習生の多くが家族の思いを背負い、家族のために渡航しています。多くの実習生が「シングルマザーに育てられた」「お父さんが酒飲みで暴力をふるった」「貧乏だけど兄弟がたくさんいて長男(長女)の自分が兄弟の母替わりになって世話をした」等々、ドラマや映画に出来そうなストーリーが満載で、私自身実習生への見方が大きく変わりました。

昨年のテーマは「10年後のわたし」というテーマでした。こちらは一年目と違い、ほっこりする幸せな未来予想図に心温まる作品が多かったのが印象的です。実習生の多くが、「お金持ちになりたい」「社長になりたい」というような大きな夢を見ているわけではなく「家族みんなで仲良く一生暮らしたい」というような、贅沢するわけではない当たり前の日常生活を営める将来を望んでいることがわかり、ますます実習生がかわいいと思うようになりました。

今年は母国の日本の違いから学んだことという内容で作品募集を行いました。

今年の作品も実習生独自のさまざまな視点から作文されていて、日本人のわたしも気付かされることが多い内容が多くありました。特に、日本が優れている、ということばかりではなく、日本人が実習生の母国から学ぶべき点についても言及されていてはっとする作品もあります。

中でも多くの実習生が国を問わず、日本との違いとして記載していたのが以下の5点です。

日本人は綺麗好き。道路や公共交通機関にゴミが落ちていない。ゴミの分別も厳しくしっかりしている。家も会社も整理整頓が徹底している。

日本人は時間を守る。電車も滅多に遅れない。「はじまりの時間が大切」という視点で記述する作品もありました。そのために計画をしっかり立てる、という分析です。また時間を守るのはただ規則正しいということではなく「他人を尊重する」ことから生まれる行動だ、という風に分析する実習生もいました。無意識に「5分前集合」を身に付けている私たちですが実はこの「遅刻するということは他人の時間を盗むということ」という意識があるのかもしれません。

家庭より仕事が第一。どの国の出身者もこれに関しては「母国では家族が第一ですが…」という視点で記述されています。

お風呂に入る習慣。綺麗好き、という点に繋がりますが、お風呂に入らない理由がない!”と絶賛してくれる実習生が多くいました。

ベトナムの実習生特有の内容ですが、多くのベトナム人実習生が「日本人はよくありがとう、ごめんなさいをいう」という点について言及していました。ベトナムではほとんど言わないそうで、これは相手を尊重する文化だと実習生は分析してくれています。今では実習生たちも自然と感謝や謝罪の言葉を口にするようになって「いい人になった気分」と書いている実習生もいました。

そのほか、文化、食べ物、風土、歴史、言語などについての記載も多くありました。「日本人と同じように生活することでやせた」とか、「ちゃんとした人間になった気がする」という風に、技能実習の現場以外でも「日本に来てよかった」と思ってもらえる機会を提供できることはとてもうれしいことです。

たまに生じるコミュニケーションギャップや、日本人にとっての「常識」が全く通じず悩む事のある実習実施者にも、作品を読んでいただく事で「そういう事だったのか!」と思ってもらえるきっかけになるかもしれません。

Previous

Next